なるべく削りたくない、という言葉の意味
なるべく削りたくない、という言葉の意味
JR南武線徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
写真は、時々歯がしみるので見てほしいという患者さんのものです。丸印の部分が、虫歯…と言えばまあ虫歯の部分です。
ワコ歯科では、虫歯だからといってすぐ削ることはありません。お口の中の詳細な写真を撮影し、レントゲン写真も大きなもの(パントモ)を1枚と、小さなもの(デンタル)を最低10枚は撮影し、虫歯の大きさや進行度合いを確認します。
その上で、ICDAS
International 国際
Caries う蝕(虫歯)
Detection 探知
And Assessment 評価
System システム
に基づき、記録と患者さんへの説明を行います。基本的にはICDASでコード4以下であれば削りませんし、コード5以上であっても痛みがなく、大きな穴が確認できず、本人が削ることを望まない限りは経過観察に留めます。
かつ、唾液検査の結果等を元に、現在のお口の中の虫歯リスクを評価し、生活習慣やセルフケアの指導を行います。
それらのことを行った上で、進行してしまったら削るのも已む無しですが。。。
虫歯は、一度なってしまったら削るしかない!というのは過去の話です。
虫歯は、進行と再石灰化の間を揺れ動くプロセスです。生活習慣やセルフケアがダメなら進行しますし、改善されれば再石灰化が勝って進行がストップします。
これは、詰めたものが再度虫歯になった(二次カリエス)の場合でも基本的には同じです。詰め物(かぶせもの)と歯の間に多少の段差、着色、虫歯等があっても、いきなり削らず記録、リスクの評価、生活習慣とセルフケアの指導を適切に行い、患者さんがそれらのことを実行すれば進行がストップすることもあるのです。