デンタルフロスと歯間ブラシ、音波歯ブラシの効果。
JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科、矯正歯科クリニック院長の長崎です。
デンタルフロスと歯間ブラシの効果についてです。
患者さんは、30代男性です。
写真の上側は、歯ブラシだけしか使っていなかった時です。下側は、デンタルフロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシを使うようになってから染めだしたものです。
かなりキレイになっているのが確認できます。
デンタルフロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシの使い方指導は行いましたが、普通の歯ブラシの使い方指導は一切行っていません。
ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは、原則として全ての患者さんに治療前に染めだしを行っています。
削ったり、抜いたり、歯のお掃除をしたりする前に、患者さん自身に自分のお口の中の掃除の状態を確認してもらい、どーすれば自分でお掃除が出来るのかを理解して欲しいからです。
その際、フツーの歯ブラシの使い方の指導はほとんど行いません。プラーク(バイキン)がよく付き、取りにくいのは歯と歯の間、歯と歯肉の境目なのですが、フツーの歯ブラシで歯と歯の間、歯と歯肉の境目のプラークを落とすのはかなり難しいのです。
その代わり、フロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシの使い方指導を行い、フロスと歯間ブラシは必ず、音波歯ブラシは必要に応じて購入して頂いています。
論文によると、フツーの歯ブラシも音波歯ブラシも、上手に使えばプラークを落とす能力はほぼ変わらないのですが「上手に使えば」の部分がクセモノです。磨き方があまり上手でない患者さんにフツーの歯ブラシの使い方を指導し、上達してもらうよりも、フロス、歯間ブラシ、必要に応じて音波歯ブラシをとにかく使ってもらったほうが、手っ取り早く結果(プラークの除去)が出るからです。
この辺りは、歯科医師によってかなり意見が異なる部分です。Tepe(スウェーデンの超磨きやすい歯ブラシ)ならば、フツーの歯ブラシよりは簡単に結果がでますし、歯ブラシも上手にできないのにフロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシを使うなんて生意気だ、道具に頼るとまじめに磨かなくなる!という意見もあります。
ただ、私が「手っ取り早く結果が出る」ことにこだわるのは、患者さんは歯ブラシが上手になりたくて歯医者に来るわけではなく、とにかく痛いとか苦しいとかなんか気になるとかいう悩みをどーにかして解決する方法はないだろうか、できればあまりお金も手間もかからない方法でという望みを抱いて歯医者に来るからです。
痛い、苦しい、とにかくなんか気になる人に対して「磨き方がなっとらん!」と説教するのはあまりにも酷では、と思うのです。それよりは「フロス、歯間ブラシ、必要ならば音波歯ブラシを使えば、完璧ではないけどとにかく手っ取り早く結果がでるよ。」という方が親切ではないか、と。