姉妹の染め出しの差。4才と8歳の例。
JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
姉妹の染め出しの差。4才と8歳の例です。
姉妹に染め出しをしたところ、4才の妹はほとんど赤くならず、8才の姉は赤+青(赤は12時間以内の新しいプラーク、青は12時間以上経過した古いプラーク)に染まりました。
食べているもの、生活環境はほぼ同じ(はず)なのに、何故に結果が大きく違ったのでしょうか?
1.姉は上下の前に大人の歯が生えてきており、かつ顎が小さいせいか歯が大きいせいか歯並びが悪くなり、歯磨きがしにくくなっている。
2.姉は寝る時に口を開けて、口呼吸をしている。その為に、歯の表面のプラークがカピカピに乾き、プラークが落ちにくくなっている。
この2つがはっきりわかる理由です。
また、論文によると「プラーク(バイキン)の誌面付着能力(歯にくっつく力)は差があり、同じように歯を磨いていても簡単にプラークが落ちる人とそうでない人がいるのは、人それぞれのお口の中に住むプラークの誌面付着能の差である」と書いているものもあります。100%信じているわけではありませんが、まあ、そうかもしれないなとも思います。
この姉妹には、ホルダー付きフロスの使い方を指導しました。ホルダー付きであれば、結構簡単に歯と歯の間をフロスによってお掃除できるからです。
お母さんには、フッ化物洗口の徹底と姉の方には寝るときにテープを縦に唇に張って寝るようにお話しました。テープを縦に張って寝ることで、うまくいけば鼻呼吸に切り替わることがあるからです。
妹は今のところ染め出しで染まっていませんが、大人の歯が生えてくると、姉と同じように歯並びが悪くなる可能性があります。よって、セルフケア(ホルダー付きフロス、フッ化物洗口)に関しては「予想される将来のリスクへの対応」という意味合いで、一緒の指導になります。
私は「歯科検診はなるべく兄弟、家族全員で!」とお話しているのは、親子、兄弟を診ることで「将来のリスク予想」がある程度可能になるからです。