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ドヤ街で公衆衛生を想う(院長 長崎)
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ドヤ街で公衆衛生を想う(院長 長崎)

スラム街で公衆衛生を想う。

 

JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

とある用事で妻と横浜寿町へ。

定額宿泊所、罵声を浴びせてくる浮浪者、『不法投棄禁止』の看板の横にうず高く積み上げられた粗大ごみやその他のゴミ…

こーゆう所の住民に「フッ素入り歯磨き粉を適切に使いましょう」という指導が聞き入れてもらえるか?

「虫歯の敵は幾万ありとても 世界の常識、水道水フッ素化が遅れた訳とその解決策」では、山下文夫(故人)先生が予防歯科の神様熊谷崇先生に対して「クリニックに来る金持ち向けの予防だけやって、公衆衛生の観点が全くない」と罵詈雑言を浴びせている。

では、公衆衛生の観点とはなにか?

wikiには公衆衛生は「集団の健康の分析に基づく地域全体の健康への脅威を扱う」とある。

個人的には「その地域に住む人達が、お金持ちから低所得、高学歴から低学歴まで、その収入や社会階層に関わらず健康を維持できる環境を整えること」と理解しています。

歯科医院でセルフケアや生活習慣の指導を行うのは、正しい。
しかし、低学歴、低所得で「健康に気を使うお金や時間、その他諸々の余力がない」「自己肯定感が著しく低く、指導を受けると否定された(怒られた)という風にしか受け止められない」人への指導は難しいです…
山下文夫先生(故人)は著書の中で
「フロリデーション(水道水フッ素添加)であれば、そもそも歯科医院に来ない、虫歯リスクが極めて高い社会階層の人も虫歯予防になる」
と主張し、定期的な来院で予防歯科を進める熊谷崇先生を口汚く罵倒しています(^_^;)
日教組等の抗議を恐れてフロリデーションに及び腰の国や県のお偉いさんも同様に罵倒しています(^_^;)
ここまで「反対派を敵認定」すると、さぞ生きづらいのではと心配になりますが、各方面からの情報によると、大病で死期を悟って「もう怖いもんなぞ無い!」という心境でこの本を書かれたっぽいです
話を公衆衛生に戻します。
虫歯予防の指導を受け入れられる、適切なセルフケアや生活習慣の指導を受け入れられない層もいて、そーゆう層の人ほど歯のトラブルで苦しみ、医療費を食い潰している(言い方!)訳です。
自己責任とバッサリ切るのではなく、フロリデーション(水道水へのフッ素添加)であれば、そーゆう層の人でも虫歯リスクが減らせる、というのがこの本の大まかな主張です。 私も同意です。
また、スラムの住民程でなくても
「ある程度の教育程度と収入はあるが、家庭でのフッ素入り歯磨き等のセルフケア、生活習慣の改善ができる程ではない」
という、いわば「半端な層」に対しても、多分フロリデーション(水道水フッ素添加)による虫歯予防は極めて効果が高い、と思います。
実際には、日教組等の抵抗勢力や、諸々の事情により日本でフロリデーション(水道水フッ素添加)を行うのは、多分私が生きているうちには不可能だと半ば諦めています
ただ、フッ素による虫歯予防を言い続けることで、多少は高濃度フッ素入り歯磨き粉等を適切に使う人が増えてくれる…かもしれません
公衆衛生的な面を抜きにしても、歯科診療所がある地区や患者さんの層により、そのクリニックの治療や予防の方針は当然変わってきます。
つまり、セレブ層御用達の歯科医院と、これまで歯を磨いたこともないような高齢者ばかり来る歯科医院では、考え方や患者対応が同じでいいわけはありません。
川崎市幸区にあるワコ歯科には、概ね中流層~生活保護世帯までが来院します
初診時に「貴方の最終学歴と年収は?」と聞く…訳にはいかないので、立ち振舞いやお口の中の状態、また本人の価値観を会話の中で汲み取って、その人が受け入れられるであろうセルフケア、生活習慣の指導、治療を行っています

いつもうまくいく訳ではありませんが 「人を見てものを言う」 事を意識してから、定期健診の継続率は上がりました。まあ、これでいいのかな…

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患者様の歯を大切になるべく削らないように治療致します。

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