定期健診の目的~なるべく削らないために
定期健診の目的~なるべく削らないために
JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
定期健診の目的~なるべく削らないために。
画像は、定期健診に来院されている65歳女性のものです。
今すぐ治療が必要な虫歯はありませんし、歯周病も概ねコントロールされています。
ただ、丸印部分は詰め物と歯の境目に段差があり、初期虫歯にも見えます。
当院では「早期発見早期治療:怪しければ削る」という事はやっていません。
初期の虫歯や、怪しい部分を見つけた場合、まず
・口腔内写真の撮影。撮影方法を規格化することで、時系列順に比較できるようにしておく。
・デンタルレントゲン(詳細なレントゲン写真)の撮影。どの程度の深さまで虫歯が進んでいるのかを確認できる。
・染め出しとだ液検査。虫歯の進行するリスクがどの程度なのかを確認できる。
これらの事を行い、デンタルフロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシ、フッ化物洗口等のセルフケアにより、虫歯リスクを可能な限り下げてもらいます。
その上で定期的にチェックを行い、虫歯が進行しなければそれでよし。不幸にも進行してしまった場合は、セルフケアの実行度合いをチェックし、場合によってはセルフケアやプロフェッショナルケア(歯科医院でのお掃除)やフッ化物塗布を追加します。
それでも痛みが出たり、大きな穴が空いてしまった場合のみ、削るようにしています。
早期発見早期治療で削ってしまったら、穴は塞がるかもしれません。
しかし、患者さん本人が虫歯のリスクを理解し、セルフケアの改善につとめなければまた同じように虫歯になるからです。