歯石は定期的に取るべきか?
JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
歯石は定期的に取るべきか?という事について、当院の考えを述べます。
歯石を定期的に取るよりも、普段のデンタルフロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシ等のハブラシ以外による歯と歯の間、歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)内のプラークコントロールの方が重要です。
理由は、歯石はプラークが48時間以上放置されたことにより、唾液や歯肉溝滲出液中のカルシウムと結びついてカチカチになった「プラークコントロールが悪い結果」であって、歯周病の原因そのものではないからです。
「歯周病予防の為に、定期的に歯石を取る」というのは「歯石があると、物理的に邪魔になり、プラークコントロールがやりづらい」という意味では間違いではありませんが、歯周病そのものの原因であるプラークコントロールの方をより重視しています。
また、定期的に歯石を取ると、そのたびに歯は顕微鏡レベルで傷ついていきます。御自身の歯であればフッ化物、ハイドロキシアパタイト入りペーストにより修復されますが、銀歯、プラスチック、セラミック等の詰め物、かぶせものであれば、一旦歯石を取るときについてしまった傷をツルツルに戻すことはかなり困難です。
当院では、
1.お口の中の写真撮影
2.デンタル(詳細なレントゲン撮影)
3.染め出し
により、目に見える歯石、歯肉の下の隠れ歯石等を患者さんに確認してもらいますが、上記の「歯周病のコントロールに重要な事は、日々のセルフケアによるプラークコントロールである」「歯科医院での検診、お掃除は、セルフケアを補助するものである」ということを説明しています。
で、歯石がついてしまったものは仕方がないから取りますが、日々のセルフケアで歯石を付けないようにすることが大事です、とも。
ちなみに、当院では歯石を取る時は染め出し、セルフケア指導を行い、歯肉の腫れが引いてから取るようにしています。
プラークによって歯肉が炎症を起こしている(フロスや歯間ブラシを通すと血が出るような状態)だと、痛いですから…
お掃除の際は、まず痛みの少ないパウダーでプラークを落とし、そのうえでなるべく痛くない範囲で歯石を取っています。
歯石は見えるけど、今取ると痛いだろうなあ…という時には、説明のみ行って歯肉の炎症が収まるまで触らないこともあります。
歯周病のコントロールに重要なのは、フロス、歯間ブラシ、音波歯ブラシ等のハブラシ以外による日々のプラークコントロール+自分でできない部分を補う歯科医院での検診+お掃除、です。