歯の治療よりも重要なこと
歯の治療よりも重要なこと
ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは、来院されるすべての患者さんに「歯の治療よりも重要な事があります」と、以下のことを説明しています。
・歯科疾患の9割を占める虫歯、歯周病の原因はプラーク(細菌)であり、ご自身のプラークコントロールが大きな原因の一つであること。
・歯並び、生活習慣、プラークコントロールの方法、お口の中の菌叢、その他生まれ持ったもの等のリスクをご自身で理解して頂く必要があること。
・自分ではどーにも変えようがないもの、自分の力でどーにか変えることができるもの、歯科治療によって変えることができるものがあること。
・上記の「自分で変えることができるもの」「歯科治療によって変えることができるもの」のうちで、どこまで変えたいか、変えたくないか、保留するかを考えて、可能な範囲で実行して頂くこと。
・虫歯、歯周病の治療で詰め物、かぶせもの、入れ歯、インプラント諸々を行っても、欠けた人体の組織を人工物で補うという事に変わりはなく、元々の自分の歯と比べると強度、耐久性諸々は落ちるということ。
・初期の虫歯、歯周病であればセルフケアによって進行をコントロールすることが可能であること。
これらのことをまとめると
「予防は治療に勝る」
という一言になります。
予防の具体的なセルフケアとしては、人によって異なりますが
虫歯予防:ミラノール(フッ素うがい薬)によるフッ化物洗口
歯周病予防:歯間ブラシ、デンタルフロス、音波歯ブラシ等の「ハブラシ以外の方法によるプラークコントロール」
を基本としています。
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フッ化物(フッ素)に関しては、一部のトンデモ(具体的に言うと、内海聡さんと内海利権(今作った言葉)に群がるトンデモ医療者まがいの方々)さんが「フッ素は毒!なんとかの原因!ユダヤの陰謀!レプタリアン(トカゲ人間)の陰謀!」と主張しています。
これらの「フッ素は毒」という主張に関しては、最初は「いちいち議論するのもめんどうだなあ」という理由から放置していましたが、内海聡さんの勢力(!)が拡大するに従い、さすがに正しい情報を発信しなければと最近思うようになりました。
「フッ素は毒」という主張に関しては、そのとおり、毒です。
醤油を2リットル飲むと死にますが、それと同じ意味合いにおいてという但し書き付きですが。
量と頻度の問題です。
フッ化物(フッ素)による洗口やフッ素塗布程度の量と頻度であれば、班状歯や骨硬化症のような作用が出る可能性は物凄く低いです。
フッ化物応用による虫歯リスク低下というメリットは、副作用によるデメリットをはるかに上回ります。
私はトンデモ大好きなので、あれこれトンデモさんの主張するフッ素のなんとか作用について調べましたが「醤油を2リットル飲むと死ぬから、醤油は毒」というような、量と頻度を無視した暴論であったり「海賊の数が減るに従って地球温暖化が進んでいる」というような「因果関係と相関関係をごっちゃにしている」トンチンカンな主張であったりして、到底信用できないものばかりでした。
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プラークコントロールに関しては、当院ではほとんどハブラシ指導は行っていません。
理由は、歯と歯の間、歯と歯肉の間のプラークをハブラシで完璧に除去するのは、ものすごく難しいからです。
それよりも、まず(下手でもいいから)歯間ブラシ、デンタルフロス、音波歯ブラシを使ってもらう方が「手っ取り早く歯と歯の間、歯と歯肉の間のプラークが落とせる」からです。
大事なことは、ハブラシの使い方が上手になることではなく、プラークを落とすことです。
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長々とアレコレ書きましたが、原則として削ったりツメたり、お掃除したりする前に、これらのことを説明し、必要な検査を受けて頂いています。
予防は治療に勝り、予防に重要なことは正しい知識だからです。