なぜ、歯の治療は長い期間かかるのか?
JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
なぜ、歯の治療は長い期間かかるのか?の話です。
多くの方が歯科医院に行きたがらない理由の一つとして
「治療が始まると、えらく長く通わされる」
「1本の歯の治療が終わっても『次はこの歯です』と言われて、ゴールが見えない」
というものがあります。
歯科医師の側からは
・痛みが出ないかどうかを確認しておきたい
・時間をかけて、丁寧に治療したい
とか、他諸々の理由はあるのですが、患者さんからすれば
「痛いのがおさまったら、とにかく早くおさらばしたい」
のに、痛みがおさまってからも「次は~」「次は~」と言われるので、どーしても我慢できなくなるまで行きたくないというのがあるようです。
私も、かつては主訴(患者さんが歯科医院に来た理由。今一番困っていること)の治療が終わったあとも、全ての歯を完璧な状態にするまで治療を続けていました。
そーすると、大体1人平均3~4ヶ月はあちこちの歯を削って、詰めてとやることになるわけです。
現在ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは
主訴の応急処置
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主訴が「そうなるに至った」理由の検査
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現在のお口の中の虫歯、歯周病のリスクの評価
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再発や、進行しないためのセルフケア、プロフェッショナルケアの方法の指導
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主訴の治療
という流れで治療を行っています。
また、写真の黄色印のような
「虫歯のなりかけ、ごく小さな虫歯、ごく小さな詰め物、かぶせものの段差」
は、写真、デンタルレントゲン撮影で現状の記録のみ行い、フッ化物洗口、フロス、歯間ブラシの指導で進行抑制を行い、定期的なチェックで進行していなければそれでよし、不幸にも進行してしまったら、その時に初めて削るようにしています。
そーすることによって、大半の患者さんは1ヶ月以内で治療が終了し、定期的なチェックに入れるようになりました。
(収入も「完璧を目指して、僅かな虫歯も削っていた時代」に比べて激減しましたが…)
現在(2015年7月)、1日平均の患者数が13人程度ですが、7割型は定期的なチェックと進行抑制の患者さんです。
この「虫歯のなりかけ、ごく小さな虫歯、ごく小さな詰め物、かぶせものの段差は、記録を取って進行抑制のみ行う」ことが、果たして絶対的な正義なのかはわかりません。10年、20年と継続してデータを取ってみなければなんとも言えないでしょう。
ただ、私がモデルとしている山形県酒田市の日吉歯科では、この方法論で酒田市の虫歯を激減させたそうです。
話を「なぜ、歯の治療は長い期間かかるのか?」に戻しますと
「本来、進行抑制のみで十分な初期虫歯や、詰め物、かぶせものの段差を徹底的に治す為に、かえって長い時間がかかっているのではないか?」
という事が疑われます。
また、小さい虫歯を進行も確認せずにすぐ削って人工物に置き換えることで、またそこが小さい虫歯になって削る、というのを繰り返しているのではないか?とも思います。
どうなんでしょうか?