矯正中、歯と歯の間の虫歯が見えてしまった場合
JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
矯正中、歯と歯の間の虫歯が見えてしまった場合の話です。
写真は、矯正途中に4番(真ん中から4番目の歯)を抜歯したら、歯と歯の間にできていた虫歯が見えてしまった例です。
矯正をする前から、歯と歯の境目に虫歯があることは見た目、レントゲン、フロスを通した引っ掛かりの感触からわかっていたのですが、痛みもなく、穴もごく小さなものだったので削らずに進行抑制のみに留めていました。
歯を並べる都合上、抜歯したところ、黒く穴が空いているのが確認できました。
黒い部分を探針でそーっと触ったところ、表面が硬く、進行がほぼ止まっている(であろう)事がわかりました。
この患者さんは、矯正開始以来1年間毎日のフッ化物洗口と、2週間に一度フッ素塗布をしていたので、その効果もあるかもしれません。
また、しみる、痛い、等の症状もなく、見た目も表から見えず、患者さん自身も気にならないということでしたので、引き続きフッ化物洗口、デンタルフロスによるセルフケア、定期的にフッ素塗布、チェック、おそうじによる進行抑制のみに留めることにしました。
削って詰めたほうが(短期的には)(少しだけ)儲かるのですが、
・進行抑制により、虫歯の進行が止まれば、お口の中に人工物を増やさずにすむ。
・削って詰めた場合、歯と詰め物の境目が再度虫歯になるリスクがある。虫歯のなりかけを進行抑制のみで留めて置いたほうが「マシ」な場合が多い。
・虫歯にはフッ化物(フッ素)が取り込まれやすいので、フッ化物洗口、塗布の効果がより期待できる。
といった理由により、虫歯のなりかけやごく小さい虫歯は、フッ化物洗口とフッ素塗布による進行抑制のみに留めることが多いです。