フッ化物による虫歯の進行抑制の例(30代男性)(2015-0904)
JR南武線徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
写真は、歯の表面と歯と歯の間にある虫歯を削らず、1年間フッ化物による進行抑制のみ行った例です。
歯の表面が黒くなっている部分は、1年たってもほぼ変化なく、探針でそーっと触ると最初よりも硬い感じがします。
歯と歯の間の虫歯に関しても、1年たってもほぼ変化なく、痛みやしみもないとのことです。
ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは、虫歯のなりかけや、虫歯であっても浅く、痛みがなく、唾液検査や染め出し等でセルフケアや生活習慣の改善の見込みがあり、進行抑制が可能なようであれば、削らずに定期健診、写真撮影、進行抑制のみに留めることが多いです。
進行抑制を行い、変化が無い、あるいは進行がものすごーくゆっくりであればそれでよし。残念ながら進行してしまい、穴が大きくなったり痛み等の症状が出たら、その時にはじめて削るようにしています。
以前は、虫歯は早期発見早期治療と考え、わりと初期の虫歯でも削っていました。
しかし、予防歯科の勉強をして、また予防で有名な熊谷崇先生の著書を読んだり、熊谷先生の日吉歯科を見学したりすることで、虫歯は(ある程度は)進行抑制が可能なのではないかと思うようになりました。
2014年の6月にワコ歯科・矯正歯科クリニックを開業し、その時からなるべく削らずに進行抑制を行うようにしています。
最初は「進行抑制がどこまで可能なのだろうか?痛くなったりしないだろうか?」と不安もあったのですが、進行抑制可能とみた虫歯の7割程度は、現状維持あるいは進行がすごくゆっくりになって、削らずに済んでいます。
1割は削る事になり、2割は来院が途絶えたために不明です。
7割というのが高いのか低いのかはなんとも言えませんが、かつて「早期発見早期治療」と考えてガンガン削り、予防や進行抑制に関する指導をあまりしていなかった時よりは、気分よく毎日の仕事に励むことができるようになりました。