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ある「医療ジャーナリスト」に、歯科用金属についての記事、著書の明らかな誤り、誇張、紛らわしい表現を指摘した時の話。
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ある「医療ジャーナリスト」に、歯科用金属についての記事、著書の明らかな誤り、誇張、紛らわしい表現を指摘した時の話。

ある「医療ジャーナリスト」に、歯科用金属についての記事、著書の明らかな誤り、誇張、紛らわしい表現を指摘した時の話。

※先に言っておくと、伊藤隼也さんではありません。

あるいは「医療ジャーナリストはなぜ専門家から指摘されても決して誤りや誇張を認めないのか」

「医療者はトンデモをまき散らす医療ジャーナリストに対し、どのように対処すべきか」

少し前の話ですが、とある医療ジャーナリストが歯科用金属についての記事を書いていました。

ざっくりまとめると

・保険で使っている歯科用金属(アマルガム、金銀パラジウム合金等)は超ヤバイ。

・アレルギーとかなんかガンとか自閉症とかとにかくヤバイ。

・金属アレルギーの研究は歯科会ではタブーとなっている。

・金属アレルギーについて発表しようとした歯科医師が、地元の歯科医師会から呼び出しを受け「歯科医師を続けたいなら、チミ、わかってるよね?」と、暗に発表するなとえげつない脅しをかけられた。

・殆どの歯科医師は保険で使っている金属の害を知らないか、知っていても保身の為に黙っている。

という、まあ、悪意に満ちた記事でした。

金属アレルギーがあるのは事実です。

多くの学会や論文で発表されていますし、神奈川保険医協会の会報(私は神奈川県保険医協会の会員ですので)にも掲載されています。

一体いつ、誰に取材したのか不明ですが、少なくとも現在では歯科用金属のアレルギーは別にタブーでもなんでもありません。

また、金属アレルギーがあることは事実ですが、ガンとか自閉症とかの関係は「今のところ、因果関係はない」と考えられています。

統計を取ったわけではないですが、日本人のおそらく9割近くは保険の金属が入っていて、殆どの方は問題なく暮らしています。

勿論、まれに金属アレルギーで苦しむ方はいますし、歯科用金属を除去することで症状が改善する例はいくつもあります。

かと言って、安価でそれなりの精度がある歯科用金属を全否定されるのはちょっと…

むやみに不安を煽り、高価な自費治療やなんとかサプリとかに誘導する意図が見えました。

(こーゆう言い方をすると「では、因果関係が『ない』ことを証明しろ!」とか噛みついてくるんですよね…そーゆうのは悪魔の証明と言います。「ある」ことは結構簡単に証明できますが「ない」ことを完璧に証明するのは難しいのです。)

調べると、その医療ジャーナリストはいくつか歯科関係の不安を煽る本を出版していることがわかりました。

私自身予防歯科を前提としたクリニックをやっており、なるべくなら詰め物やかぶせものにならない方がいいと考えています。

ただ、どーしても虫歯になってしまう患者さんは一定数います。

理想的には、アレルギー等のリスクの少ないセラミック等の材料で詰め物、かぶせものを入れたいのですが、金銭的な問題があります。

奥歯の保険のかぶせものであれば3000円程度ですが、自費のセラミックだと10万円近くになります。

全ての患者さんが、そのような金銭的な負担を受け入れられるわけではありません。

金属アレルギー等のリスクがあるにしても、かなり低い確率です。

それを大げさに煽るのは、あまり感心できる事ではないでしょう。

交通事故に合わないためには、外出するなというような極論です。

あまりに腹が立ったので、医療ジャーナリストに直接上記の事柄についてどのように考えるのかを聞いてみることにしました。

1.自分のブログに、医療ジャーナリストの名前を挙げて記事を書いてみた。

反応なし。

2.メールしてみた。

反応なし。

3.医療ジャーナリストのフェイスブックに、直接書き込んでみた。

反応なし。

4.医療ジャーナリストのフェイスブックに、さらに書き込んでみた。(ストーカー的な行動だったと反省しています)

ようやく返信あり。

「取材時と今は違います」という、短い一言でした。

それにたいして

「では、今はどのように認識されているのか、お答え頂けますか?」

と質問したところ

「長崎さんは歯科医師のようですので、お答え頂けますか?」

と、質問を質問で返されました。

散々質問の時に書いているにも関わらず!

ああ、これはどんな質問をしても、誠実な答えが返ってくることは望めないと、それ以上の追及を打ち切りました。

到底誠実とは言えない対処をされたことで、最初は腹が立って仕方がなかったのですが、

「何故にかの医療ジャーナリストは、仮にもプロの歯科医師である私の指摘をするーし続けたのか?」

という理由を考えてみました。

1.商売上の都合で、自分の誤りを認めるわけにはいかない。

生活のためとなれば、まあ、理解はできます。

医療ジャーナリストさんにも、家族や、守るべき生活がおありでしょう。

この医療ジャーナリストさんの名前を挙げることは控えます。

そりゃあ、歯科に関するデタラメや誇張を、さも真実のようにネットで流されて怒り心頭ですが、生活の為にやっている(であろう)事を指摘して客が離れ、食うに困るようになるのも気の毒です。

こんな商売をするしか無い人を、追い詰めるのも哀れです。

あえて例を出すなら「歯は磨けば磨くほど虫歯になる」という記事を書いてプチ炎上した夏目力さんが挙げられます。

(この人は、医療以外でもアレコレ言っているので、私が医療分野でつついてもそれほど状況は変わらないでしょう)

2.自分が酔っていることを認める酔っぱらいはいない。

「トンデモ理論」という酒に酔っぱらっていれば、まあ理屈は通用しないですよね。

酔っ払いが支離滅裂な事を言っても、自覚がないようなもんです。

例としては、元船橋市議の高橋宏さんが挙げられるでしょう。(まあ、この人は医療ジャーナリストではないですが、ネットで内海聡さんの受け売りトンデモ医療情報を垂れ流しているので)

結論としては、商売でやっていても酔っ払いであっても、直接の対話は不可能だと思います。

医療者にできることは、

「商売人、酔っ払いとは対話を試みない、関わらない」

「医療ジャーナリストの理論の誤り、誇張を(自分の身の安全と生活を乱さない範囲で)ネットに書く」

くらいではないでしょうか。

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