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富士山 吉田ルート敗退レポート 登山 (2016-0320-21)
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富士山 吉田ルート敗退レポート 登山 (2016-0320-21)

富士山 吉田ルート敗退レポート 登山(2016-0320-21)

ギリギリ冬季と言える3月の富士山にアタックしたのですが、本8合目付近、3432mで技術と装備に不安を覚え、登れても降りれないと感じ、無念の敗退。

雪のあるうちにまた挑戦します。今度は御殿場ルートかな。

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>2016-0320(日)

大石茶屋(0830)~馬返し(0850)~佐藤小屋(1200)

>2016-0321(月)

佐藤小屋(2230m)(0430)~6合目安全指導センター(2390m)(0500)~東洋館(3000m)(0720)~白雲荘(3200m)(0800)~元祖室(3250m)(0900)~富士山ホテル(3400m)(1000)~3432m地点にて敗退(1030)~大石茶屋(1600)

>2016-0320(日)

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富士山駅に到着!

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駅のホームから富士山が見えます。でけえ!いけるかな…

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大石茶屋までタクシーで入ります。

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馬返しで登山届を提出。

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吉田口登山道を、1合目から登っていきます。

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破棄された山小屋がいっぱい…

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この日の気温は7度前後。

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道路を横切ったり…

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倒木を跨いだり…

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3合目。見晴茶屋跡。

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4合目。大黒小屋跡地。

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5合目。たばこ屋跡地。

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佐藤小屋到着!

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現役の薪ストーブ。

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山小屋というか、人の家にお邪魔しているような感じが。

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ラーメンは肉と野菜入り!山小屋らしからぬちゃんとした食事!

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食後にテント設営。

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狭いながらも楽しい我が家。

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アイスバーン地帯で滑落しないよう、アイゼンとピッケルをヤスリで研ぎます。

「ありがとう」「ばかやろう」と書いているのは「水は何でも知っている」の実証実験の為です。

水(氷)が文字を解するのなら「ありがとうアイゼン」はアイスバーンを確実に捉え「ばかやろうアイゼン」でアイスバーンを踏めば、たちどころに滑落することでしょう。ドキドキ。

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深夜、テントの周りで動物が歩き回っていたようです。犬?猫?

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朝2時半に起床。

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フリーズドライのご飯とスープで朝食を済ませます。準備している間に、単独1人と3人パーティーが出発していきました。

7合目付近でテントを張っている2人パーティーがいるそうなので、最低7人が吉田ルートにいることになります。

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4時半。ヘッデンをつけて出発します。

早立ちは登山の基本ですが、雪山は特に早く出発することが良しとされます。

1.日が暮れる前に行動を終えるため。

2.日が昇り、気温が上がると雪崩のリスクが高まる。明け方の寒い時期に危険地帯を通り抜けるため。

先日、6合目の安全指導センター近辺から佐藤小屋にかけて雪崩がありました。

雪山である以上、どこにいても雪崩のリスクはあるのですが、少しでもリスクを少なくするためにこうした行動をとります。

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出発時の気温は0度。冬山としては暖かい部類です。

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先行する人達の踏み跡を追います。

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30分程で、6合目の安全指導センターに到着。

去年の7月、吉田ルートから登った際に通った場所です。

その時は、冬富士を登ることなど考えてもいませんでした。

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はるか上にヘッドランプの明かりが二つ動いているのが見えました。7合目でテントを張っているという2人パーティーでしょうか?

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5時を少し回り、空が明るくなってきました。

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無数の踏み跡が見えます。なんとなく新しいっぽいものを選んで登っていきます。

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太陽は見えませんが、ヘッデンが不要な程度には明るくなりました。

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先行する3人パーティーに追いつきました。写真を取り合います。

どちらからと聞くと「モンゴルから」とのこと!リーダーの日本語が上手で気が付きませんでした。

まあ、わざわざ外国から…

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ノーアイゼンで危なげなく登っていくモンゴルパーティー。

雪山に慣れている人は、体力の消耗を防ぐべく、アイゼンはギリギリまでつけない人も多いと聞きます。

私はわりと早めにつけるほうです。

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つづら折れの夏道が、すっかり雪で埋もれています。

夏道の少し北側を、ひたすら直登していきます。
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6時過ぎ、雲の間から朝日が顔を出してきました。

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積雪は1~3メートルくらいでしょうか。

夏道の杭が、雪にほぼ埋もれています。

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所々、草が雪から顔をのぞかせています。

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標高3000mの東洋館を通過。

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雲の上に出て、天気はすごく良くなりました。

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8合目付近。テントがありました。昨晩のうちに登ってきたのでしょう。

時折台風並みの風が吹くので、テントの周囲に雪のブロックを積み上げています。

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天井近くまで雪に埋もれた山小屋。

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クラスト(雪の表面がカチカチの氷になっていること)化した夏道。

なるべくクラストの部分を避けて、時に直登(ジグザグについた夏道を外れて、まっすぐ登ること)します。

アイゼンの前爪で3~4回蹴りこみ、確実に足場を作ってから足を踏み出します。

ピッケルも強く雪面に差し込み、支えとします。

両足とピッケル、3点のうち2点が必ず雪面(あるいは氷)に接しているようにゆっくり登ります。

ノロノロ運転ですが、滑落のリスクを少しでも下げるためです。

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3250m。元祖室。の隣の富士山天拝宮。

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振り返ると雲海。

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山小屋の前の道は、完全に雪で埋もれています。

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「これより浅間大社境内」の石碑。

富士山頂は、静岡県の浅間大社の私有地になっていますが、山頂は「静岡でも山梨でもない、県境の係争地」です。

100年前くらいから「曖昧にしておいた方が、静岡と山梨の両県で富士山観光を主張できる」という政治的理由でそうなっているようです。うーむ。

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3432m地点。吉田口山頂まで500m地点で撤退を決めます。

・アイスバーンが多くなり、自分の技術と装備では滑落の危険が高い。

アイゼンは研いできたものの、研ぎ方が足りなかった。もっと鋭くとがらせておくべきだった。アイスバーンを歩くには不安がある。

登りよりも下りの方が難易度が高い。

・気温は0度前後と比較的高いものの、風が強く体感温度はさらに低い。体と手先が冷えて動きが鈍くなってきている。

この先、更に風は強くなることが予想されるが、手持ちの防寒着は全部着込んでいる。ホッカイロの予備も無い。

・体力的には余裕があり、リミットと決めた12時にはまだ1時間半の余裕がある。

しかし、上記の理由から「登れたとしても、降りる時に滑落する可能性が高い」ことから、撤退を決めました。

3432m地点での敗退です。

無念ですが、生きていれば次があります。

死んだらもう山に登れませんし、死ななくても大けがをすれば多くの人に迷惑をかけてしまいますし、診療にも影響が出ます。

ともかく、怪我をしないように慎重に降ります。

山の事故の7割は下山時に起きるといいますので。

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追い越したモンゴルのパーティーとすれ違います。

彼らはその後登れたのでしょうか。

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本八合目の石碑。

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アイゼンで雪を蹴り、バケツ(腰を下ろせるくらいの平地)を作り、座って休みます。

なるべく雪のついている斜面を選んで降りていきます。斜度は30~50度程度でしょうか。

滑落停止用にピッケルは持っているものの、この斜度では滑落したらまず止められません。

転ばないように、一歩一歩かかとでステップ刻みつつ降ります。

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雲に向かって降りていきます。

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落石防止用の鉄柵。

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杭?おそらく夏場用の案内板でしょう。冬は案内板を外している模様。

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佐藤小屋まで降りてきました。ここまでくれば、安全地帯です。

この後、富士急ハイランド併設のふじやま温泉に寄って帰宅しました。

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