むし歯とキッパリ別れる本
ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
むし歯とキッパリ別れる本 フッ素に関する誤解 曲解 正解(山下文夫 先生)を読みました。
フッ化物応用(フッ素を水道水に入れたり、フッ素うがいをしたり、フッ素入り歯磨き粉を使ったりすること)が虫歯予防には最も効果がある。
フッ素は、歯を丈夫にし、かつ虫歯菌が酸を作るのを妨害して、虫歯予防に非常に効果が高い。歯医者さんでたまーに濃ゆいフッ素を塗るよりも、薄いフッ素を毎日歯に作用させる(フッ素うがい、フッ素入り歯磨き粉でのイエテボリ法を行うこと)ことの方が効果がある。
※イエテボリ法
フッ素入り歯磨き粉をたっぷりつけて歯を磨いた後、おちょこ一杯の水でうがいをし、その後2時間は飲食禁止。フッ素を歯に作用させる方法。
http://www.ha-channel-88.com/husso/gothenburg.html
ところが、「虫歯が減っては困る」方々の陰謀(!)で、日本ではフッ化物応用による虫歯予防が進まない、嘆かわしいという本でした。
陰謀(!)というのは言い過ぎではないかとは思いますが、これまでに私が読んだ諸々の文献を総合すると、フッ化物応用が最も効果の高い虫歯予防の方法であるが、日本では虫歯の少ない国々に比べてその啓蒙が遅れている、虫歯が実際に多いというのは確かなようです。
また、フッ素反対派(いるんです)の方々が言う「歯に害が!」「骨に害が!」「フッ素で馬鹿になる!」「アメリカの陰謀!」「ユダヤの陰謀!」というのは「全ての物は、摂り過ぎると毒になる。使う量の問題」という事を無視した極論というのもまた確かなようです。
醤油を一升瓶で一気飲みすると、まあ体には悪いでしょうが、だからといって「醤油を飲むと死ぬ」というのは言い過ぎであるように。
ちなみに、私自身も「歯ブラシだけでは虫歯予防は不可能です。」と患者さんに言っています。
理由は、虫歯がよく出来るコンタクト(歯と歯のくっついている部分)や、小窩裂溝(歯の溝)には、歯ブラシの毛先は届かず、プラーク(虫歯菌、歯周病菌の総称)を完全に取り除けないからです。
その人の唾液の質や歯の生え方や生活習慣によっても虫歯のリスクは異なりますが、フッ素うがいを毎日行うことが最も簡単で効果的な虫歯予防ですよ、とお話しています。
当院では、GCのフッ化ナトリウム洗口液を取り扱っています。
http://www.gcdental.co.jp/sys/data/item/faq/1245/
(はい、をクリックすると説明ページに飛びます)
たしかに、フッ素うがい液の一般的な知名度はかなり低いです。歯科医師でも知らない人が多いです。理由はよくわかりませんが・・・。