歯オタクの院長が歯関連の本やネットの情報を見る時に気を付けていること 川崎・平間のワコ歯科・矯正歯科 予防歯科通信 113号2016/04/21
歯オタクの院長が歯関連の本やネットの情報を見る時に気を付けていること 川崎・平間のワコ歯科・矯正歯科 予防歯科通信 113号2016/04/21
わかりやすい極論や、従来の常識に著しく反する情報は、本当かどうか疑って、裏を取ることが必要です。
医療関係の極論本アレコレ。
歯科にも極論本はあるのですが、同じ歯科医師として恥ずかしいので取り上げません。
私は歯の事が好きで好きな歯オタクですので、暇さえあれば歯関連の本を読んだり、ネットの情報を収集しています。
しかし、注意していることがあります。
「本やネットの情報を鵜呑みにしてはいけない。複数の方法で情報の信頼性や真偽を確認しなければ、痛い目に合う」
ということです。
特に
「わかりやすい極論」
「従来の常識と極端に異なる新説」
は、基本的に疑ってかかった方が良いです。
全くの嘘ではないけど、極端な例を取り上げて、それがあたかも全体を示しているように喧伝したりしている例があまりにも多いからです。
極論を挙げ、極端な例を取り上げて不安を煽り、自院開催のセミナーに勧誘したり、極端な食生活を奨励したりします。
ただ、一般の人から見たら
「歯科医師の先生が言うんだから、多分本当なんだろう」
と信じてしまうのでしょう。
私は、そのような極論を見た時は
・患者さん向けのセミナーではなく、まっとうな学会や学術誌で、口腔内写真やレントゲン等、第三者が検証可能な形で発表されているか?
→まっとうな学会や学術誌で発表されず、一般の人向けの書籍、セミナーしかやっていなければ、まずトンデモと思っていいです。
真っ当な学会や学術誌で発表すると「専門家のツッコミに耐えられない」事を自覚しているから、やらないのです。
・主張する治療法の成功例だけでなく
「成功の確率」
もきちんと提示しているか。
→1000人に1人成功しても、成功には違いないですが、それを
「全員が成功する」
かのように言うのはちょっと…
・同じ主張をしている論文がどれだけあるか?
→数が正義、ではないですが、世界でその先生しか主張していない事柄であれば、トンデモが強く疑われます。
・その論文は、どの程度しっかりした学術誌に掲載され、インパクトファクター(ほかの論文への引用数。信頼度の目安となる)はどれだけか?
→学術誌にもランクがあり、お金さえ払えば掲載するものから、ちゃんとしたものでなければ掲載しないものまで様々ですが、インパクトファクターは、概ねの信頼度の目安となります。
このようにして、信用できるかを見極めています。他にも色々ありますが、患者さんがこのようなトンデモを見抜くのは困難です。
専門家であっても意見が分かれる様なものもあり、何が正しく、何が間違っているかをスパっと決めることは難しいですが
「明らかに疑わしいもの」
「ビミョーなもの」
は、飛びつかない方が良いかと思います。