「予防歯科」はなぜ流行らないのか?ワコ歯科の見解 川崎・平間のワコ歯科・矯正歯科 予防歯科通信 158号2016/05/27
「予防歯科」はなぜ流行らないのか?ワコ歯科の見解 川崎・平間のワコ歯科・矯正歯科 予防歯科通信 158号2016/05/27
テレビで日吉歯科(日本で最も有名な予防歯科)が取り上げられた事で、予防歯科という名前を知る人は少しづつ増えてきました。
しかしながら「予防歯科とは、具体的に何をやるのか?」ということは、まだまだ知られていませんし、同じ歯科医師の間でも「予防歯科とは、具体的に何をやるのか?」という、統一見解は無いように思います。
ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは、日吉歯科で行っている事をほぼそのままマネしています。
(レベルの差はあるかもしれませんが…ともかく、やり方と理念はそのままマネしている…つもりです)
「予防歯科」というのは、別に法律で「こうすれば予防歯科」というのが決まっているわけではありません。
歯科医師免許を持っていて、予防歯科と名乗ることは、全く問題ないわけです。
ネットで「予防歯科 地名」で検索すれば、お近くの歯科医院は結構な数がヒットすると思います。
ワコ歯科・矯正歯科が考える「予防歯科」は、前述の日吉歯科がやっていることをそのままマネしています。
具体的には
・口腔内写真(12枚法)、デンタルレントゲン写真(10枚法)を初診時+定期的に撮影する。
・唾液検査によって虫歯菌の量を調べる。それによって、患者さんに「虫歯の原因は、虫歯菌による感染症であり、虫歯予防は菌がなるべく少ない状態をセルフケア+プロフェッショナルケアの継続によって保つことである」ということを理解してもらう。
・虫歯の治療は、セルフケアを患者さんがある程度実行して、虫歯のリスクが下がってからでないと行わない。
というあたりです。
予防歯科が、名前はある程度世に知られるようになったものの、日吉歯科程徹底して行う歯科医院が少ない(日吉歯科の熊谷先生は「ウチの予防歯科セミナーを受けても、実際に予防歯科をクリニックで実践できるのは10軒にひとつくらいだ」と仰っていました)のは、いくつか理由があります。
1.めんどくさい!(歯科医院の手間がすごいかかる! )
削って詰めれば手っ取り早く儲かるのに、口腔内写真とか唾液検査とか「お金にならない」事をまずやって、患者さんに説明しなければならない。
2.めんどくさい!(患者さん側の問題)
患者さんに「何故に虫歯になるのか」を理解して頂くために、それなりの指導を受けて頂き、生活習慣やセルフケアの方法も(できる範囲で)変えて貰うという努力を要求する。
3.効果がすぐにはわかりにくい。
削って、詰めるという治療であれば、患者さんにもすぐ差がわかる。
しかし、虫歯予防というのはすぐに結果がでるわけではない。
統計を取ればある程度わかるが、患者さん一人一人が実感できるものではない。
理念に共感する人を増やさなければならない。
4.儲からない…
日吉歯科も、採算が取れるようになるまで10年以上かかったそうです。
私自身、ガンガン削ってガンガン詰めていた頃に比べると、収入は半分以下になりました…
でも、予防歯科を行うことが患者さんの利益になる、と確信し、何が何でもやろう!と決めてしまいましたので…
頑張ります…