歯磨きの意義(院長 長崎)
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
歯磨きの意義の話です。
みんな当たり前のように毎日行っている歯磨きですが、何の為に行っているか答えられるでしょうか?
歯の表面にくっついているプラーク(細菌)を落とし、虫歯や歯周病のリスクを下げることが大きな目的ですが、実は歯磨きでは虫歯も歯周病も予防することがすご~く難しいことはご存知でしょうか?
歯磨きは「やらないよりはやったほうが良いけど、プラークコントロール、虫歯や歯周病の予防効果は非常に低い」のです。
理由はいくつかありますが
>歯ブラシだけでは、6割程度のプラークしか除去できない
>歯の溝、歯と歯のコンタクト(接触している部分)等の虫歯のハイリスク部位には、物理的に歯ブラシの毛先は届かない
>歯と歯肉の境目(歯周ポケット)等の歯周病のハイリスク部位に、歯ブラシの毛先を届かせるのはすごーく難しい
からです。
ですので、ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは
・歯ブラシだけで虫歯、歯周病の予防は不可能です
・虫歯の予防にはフッ化物洗口やフッ化物入り歯磨き、歯科医院でのフッ化物塗布等、フッ化物を有効に活用することが必要です
・歯周病の予防にはプラークコントロールが有効ですが、フロス、歯間ブラシで歯肉縁下(歯と歯肉の境目の、更に内側)プラークを毎日除去することが大事です。
・まずフロス、歯間ブラシで歯肉縁下のプラークを除去し、仕上げに歯ブラシに多めのフッ化物入り歯磨き粉をつけて歯磨きを行い、最後にフッ化物洗口液でうがいをしてください。その後30分は飲み食いをしないように。
と説明しています。
ちなみに、日本人は世界で一番歯を磨いている(1日平均2.4回)のですが、あまり磨かないスウェーデン人(0.8回)に比べて虫歯の本数は多く、80歳時点での歯の本数も少ないのです。(日本人14本、スウェーデン人22本)
この差についてですが
>フロスやフッ化物が適切に使用されていない
>歯科医院で適切な指導を受ける頻度が非常に低いこと(歯科医院に通う習慣がない)
事などが原因ではないかと考えています。
実際にワコ歯科ではプラークコントロールの向上の為に染め出しで確認をしていますが、歯ブラシだけで一生懸命にプラークコントロールをやるよりも「下手でもいいから、とにかくフロスを毎日使う」方が、確実にプラークコントロールの状態は良くなるのです。
「フロスは甘え!」という、歯ブラシ信者の方にとっては面白くないかもしれませんが…
という訳で、歯磨きを頑張る前に、まずフロス、歯間ブラシ、フッ化物洗口等のフッ化物の正しい使い方を、歯科医院で指導を受けることが大事です。
フロス等の指導をしてくれない歯科医院だったら?予防に対してあまりに不勉強なので、行かないほうが良いんじゃないですかね…