フッ素塗布無料、その理由(院長 長崎)
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
ワコ歯科・矯正歯科クリニックでは、健診やメンテ時のフッ化物(フッ素)塗布は大人から子供まで無料で行っております。
客引きの撒き餌にする為…ではなく、何故にフッ化物が虫歯予防に有効なのか、どのように使うのが効果的なのかの説明をする為です。
フッ化物を塗り塗りしながら
「歯科医院でたまーにフッ化物を塗るだけでは、効果的な虫歯予防とは言えません」
フッ化物が虫歯予防の効果を発揮するのは
「たまーに濃ゆいフッ素を(歯科医院で)塗る<<越えられない壁<薄くても毎日過程でフッ化物を使う」です。
WHOは「フッ化物入り歯磨き粉なしでの歯磨きには、虫歯予防効果ないかんね!」とハッキリ言っています。
実際、フッ化物入りの歯磨き粉が市場に出回ってから、劇的に虫歯は減少しているのです。
フッ化物の虫歯予防効果は濃度依存性(濃いほど効く)なので諸外国では1500~5000PPM(濃いのは歯医者さんの処方箋が必要)のフッ化物が歯磨き粉に入っています。
日本では先日ようやく1500PPMの濃度で認可されましたが、それまでは1000PPM以下しか入っていませんでした。
また、諸外国ではリステリン等のうがい液にフッ化物を入れる事が認められており、ドラッグストアで普通に買えますが、日本ではフッ化物入りのうがい液は販売されているものの、OTC医薬品(薬剤師さんに直接説明を受けないと買えない)なので、扱っているお店はすごーく少ないのが現状です。
もっともコスパの良いフッ化物の使い方はフロリデーション(水道水へのフッ化物添加)です。
アメリカでは75%の水道水にフッ素が入っており、シンガポールでは100%です。日本では法律の壁があり認可されていません。
ただ、日本でフロリデーション(水道水へのフッ化物添加)が行われている所があるのです。
どこか?在日米軍基地内です。
とまあ、そういったフッ化物に対する豆知識を話しながらフッ素を(無料で)塗っています。
で「本当は、家庭で毎日フッ化物洗口をするのが、たまに歯科医院で塗るよりも効果的に虫歯を予防するんですよ」と付け加えフッ化物洗口液を(希望する人には)処方しています。
フッ化物についての話を聞いてもらう時間を確保する為、無料でフッ化物を塗っているという次第です。
まあ、フッ化物洗口液を買わなくてもイエテボリ法(歯磨き粉を使って歯を磨いた後、おちょこ1杯の水でかる~くうがいをして、口の中に歯磨き粉中のフッ素を残す方法)でもいいのですが、歯磨き粉の味が口に残るのが私自身好きではないので。
ちなみに、フッ化物洗口液ですが初回は半年分1300円(ボトル付き)、2回目以降は半年分2500円で処方しています。
これが高いか安いかはわかりませんが、正しい使い方をすれば、結構虫歯リスクを下げます。
ワコ歯科では初期虫歯、小さい虫歯の場合はフッ化物洗口液(セルフケア)+フッ化物塗布(プロケア)で進行抑制を試みるのですが、結構進行が止まり、フニャフニャだった初期虫歯がカチカチになってくれます。
残念ながら万能ではなく、フッ化物を使っても虫歯が進行することはあるのですが、最初に「フッ化物を使って、なるべく虫歯の進行を止めてみましょう。止まればそれでよし。止まらなかった場合は残念ながら削って治療することに成りますが、それだけ頑張っても止まらなければ『諦めが付く』でしょう」と説明していますので、概ねの患者さんは「じゃあ、頑張ってみるか!」と、フッ化物洗口を始めて頂けます。
差別化(ビジネス的に)の面でも、フッ化物洗口液を処方している歯科医院は少数派なので、患者さんの囲い込みもできます。グヘヘ。
ただ、このフッ化物洗口液、フッ化物塗布の最大の欠点は患者さんからもよく指摘を受けるのですが「フッ素で虫歯にならなくなったら、先生儲からないんじゃないの?」という点です…
あと「予防の効果は、結果でしか判断できない」点も…
虫歯にならなかったのがフッ化物のおかげなのか、それとも「放っといても虫歯にならなかったのか」は、いち歯科医院のレベルでは判断しようがないんですよね。
まあ、実際には先人達の積み重ねで、フッ化物に虫歯予防効果がある事は実証済みなのですが。
そう言った理由で、ワコ歯科ではフッ素塗布無料、フッ化物洗口液は有料で処方しています。
私が厚生労働大臣になれば日本にフロリデーションを開始するのですが…政治家には向いてなさそうなので、ワコ歯科の経営を安定させるべく予防歯科啓発を頑張ります。