定期健診の患者さんに、虫歯が見つかった場合の対応。(院長 長崎)
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
定期健診の患者さんに虫歯が見つかった場合の対応です。
定期健診では、目で見て、(3ヶ月~1年に1度)口腔内写真やレントゲン写真を撮影し、お掃除した後全ての歯にフロスを通して虫歯、歯周病をチェックしています。
この患者さんは3年ほどワコ歯科に定期的に通われていますが、今回残念ながら歯と歯の間に虫歯ができてしまいました。
痛みは無いとのことなので、まず過去の口腔内写真、レントゲン写真を再度確認します。
3年前の口腔内写真では、なにもないように見えますが、最近の口腔内写真では、若干茶色っぽくなっています。
3年前のレントゲン写真では、若干黒くなっているように見えます。最近のレントゲン写真では、黒さが少し濃くなっているようです。
ココで悩むのは「虫歯があることはあるが、ごく小さく、痛みもない。3年前の口腔内写真やレントゲンを見る限りでは、かなりゆっくりした進行のように見える」という点です。
今後大きくならないうちに、早めに治療するか?
フッ化物洗口、フロス等のセルフケアをより注意して行い、歯科医院でもフッ化物塗布、プロケア等により進行抑制を試みるか?
どちらが正しいかというのはお口の状況や虫歯の進行速度、患者さんの価値観や希望によりますが、私は患者さん自身が「どうしたいか」を聞き、なるべくその希望に沿う形で治療や進行抑制を行うようにしています。
また、どちらにしてもセルフケアや生活習慣の確認と見直し、指導は必ず行います。
なぜか?虫歯ができたのはセルフケアや生活習慣の積み重ねであり、何かに問題が合ったから虫歯になるわけです。進行抑制にしても治療にしても、それらを改善しなければ虫歯は必ず進行しますし、削って詰めたとしても必ず同じ理由で再発するからです。
患者さんに希望を聞いた所「痛くないのでなるべく削りたくない。毎日のフッ化物洗口、フロスを最近サボっていたので、今後は毎日継続するようにして、なるべく進行抑制をやってみたい」との希望でしたので、そのようになりました。
今後も、検診時の口腔内写真やレントゲン撮影により、進行が止まっていればそれでよし。残念ながら進んでしまったら(穴が開く、痛みが出る等)虫歯を削って詰めることになります。
虫歯を削ることが悪いわけではないですが、痛みが無く、小さい虫歯であればという条件付きで、削る前に進行抑制を試みてもいいのではないでしょうか?