その虫歯、本当にすぐ削る必要があるの?(院長 長崎)
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
とあるセカンドオピニオンの患者さん。(※一部フェイク有り)
10本程虫歯の治療と言われ、自費のクリニックなので結構な金額に。
私が見た所「確かに虫歯はあるが、痛くも痒くもなく、患者さん自身も気がついておらず、レントゲンを見てようやく分かるレベル。初診時に削ると断言する意味は?」が感想
しかも、パントモしか撮影していないとのこと。なんでデンタルも撮らずに「すぐ削りましょう」と診断するのか…
まずは虫歯リスクの確認後、セルフケアや生活習慣の改善を行い、3~12ヶ月進行抑制にトライし、止まっていれば削らず、進行していた場合のみに削るでいいのでは?と説明。
前医のクリニックで貰ったという資料を見せてもらう。某有名会社の「口腔内の資料をまとめて印刷するソフト」で作った、すごく出来の良い資料だが「自費診療に誘導するための豪華なパッケージ」にしか見えなかった…
削るのも、自費治療も悪いわけではない。私もやっている。
だが「本当に削る以外の方法がないのか?」「削る以外の選択肢を提示があったのか」を患者さんに聞くと
「削る以外に道はなし!という感じでした」
とのこと…
そのクリニックの先生、何冊も本を出している。
サイトを見ると「マイクロスコープを使った精密治療」「独自の****方法を使った世界唯一の歯科」…との事。(白目)
「自費に誘導するための舞台装置」を整えるのは熱心なようで…
しまいには「自分は世界最高の知識と技術を持った歯科医師」「自分のレベルに到達している歯科医師は、世界に誰もいない」とのこと。
すごい自信ですこと…
なお、こーゆうことは珍しくない。
「本当に削る必要があるのかしら?」と、セカンドオピニオンに来る患者さんは、概ねこんな感じ。
「虫歯ではあるが、セルフケアや生活習慣の改善で進行抑制が可能なレベルのごく小さな虫歯」を「削るしか無い!」「自費で!」と治療に誘導されて不信感を持ち…
ワコ歯科で虫歯菌の検査、虫歯リスクの確認後、フッ素やフロス等のセルフケア、生活習慣の指導を行い、進行抑制にトライすると、それらの大半は進行が止まり削らずに済んでいる。
残念ながら進行し、結果的に削ることになる虫歯もあるが「やるだけやったのだから」と、患者さんも納得してくれる。
初診の日にお口の中を目で見て+パントモ(大まかなレントゲン)だけを撮影し、虫歯のリスクの検査やセルフケアや生活習慣の指導による進行抑制も試みる事なく、いきなり「自費治療の見積もり」と「ローンの申込みパンフ」を渡すというのは、ちょっと…こーゆう患者さんが来る度に重い気分になる。