結構普通に診療していたり、PPE(個人用防護具)を着用した上で診療を続けている歯科医院が多い(ように見える)事
コロナ関連。
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
非常事態宣言が出て、不要不急の外出が強く求められている状況の下、結構普通に診療していたり、PPE(個人用防護具)を着用した上で診療を続けている歯科医院が多い(ように見える)事に関して、個人的な意見を書きます。
他の先生に文句をつけたり、ああしろこうしろと言うものではありません。
現在、家族以外の他人と接する事、つまり外出そのものが自分、相手、社会のリスクを増やす行為だと認識しています。
症状のないまま感染した人が、無自覚に行動した結果、日本を含めた世界中でパンデミックが起こっています。
現代医療の基本であるスタンダードプリコーションは「全ての人を感染症患者とみなす」事ですが、現在、自分を含めた全ての人が無症状のコロナ感染者とみなして行動する事が求められています。
歯科医院内でどんなに厳密な感染対策をしていても、スタッフの通勤、患者さんが歯科医院に来る為に外出する事自体が本人と社会全体のコロナ感染リスクを上げる行為なのです。
痛みのある方への応急処置は、医療従事者としての責任ですのでやった方が良いでしょう。
ただ、自分が他人に感染させない、自分が他人から感染させられない為に、歯科医師としての社会的な責任を果たしつつ感染リスクを下げる努力が必要です。
感染リスクを減らす最もシンプルな方法は「他人と接する頻度を減らす」事です。
私は今日(2020年4月15日)の時点で、歯科衛生士は自宅待機、私だけ出勤して痛み等の応急処置のみ対応で診療しています。
コロナ対策の最前線で見るような全身を覆うガウン等のPPEは、入手できなかったのでありません。普通の歯科診療における基本装備であるグローブ、マスク(+眼鏡、帽子、診療着上下)のみです。
痛みのある患者さんの応急処置を終えた後は、手洗い、洗顔、診療着の上下を着替えています。
この対応で自分が感染するリスクは、歯科医師として受け入れられる範囲であると考えています。
(患者さん側が私から感染するリスクは横に置いておきます)。
ただ、痛みがある場合に処置をできない(歯を削ったり抜いたりを法律上やってはならない)歯科衛生士に同じリスク(出勤、歯科医院内での患者対応等)を負わせるのは、私が考える歯科衛生士が許容すべきリスクを超えています。
なので、歯科衛生士は自宅待機にしています。
事前に患者さんの体温を測ったり、渡航歴や体調の問診を行なって「コロナっぽい患者さんを選別」したり、消毒液でうがい、口腔外バキュームでエアロゾルを吸ったりする事もある程度感染のリスクを下げます。
また、歯科医院の立地も「患者さんの中にコロナ感染者がいるリスク」を左右するでしょう。
様々な要因が細かくリスクを上下させます。
なので、リスクを許容範囲内とみなした歯科医院は、普通に診療していたり、PPEを装備した上で診療していたりするのでしょう。
しかし、上記のようなリスクの積み重ねをどのように考えているのかは気になります。
仮に自分のクリニックを起点とした感染が起こった時、申し開きができるのかな、と。