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口腔ケア(フロス等によるプラークコントロール)はコロナ感染リスクと関係があるか?(院長 長崎)
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口腔ケア(フロス等によるプラークコントロール)はコロナ感染リスクと関係があるか?(院長 長崎)

JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

>口腔ケア(フロス等によるプラークコントロール)はコロナ感染リスクと関係があるか?

 結論から言うと「無関係ではないだろうが、現時点では口腔ケアにより直接的にコロナ感染リスクを減らすというエビデンスはすごーく薄い」と私は思っています。

 私は来院する患者さんに、毎回フロス、歯間ブラシをやっているか確認しています。プラークコントロールは全ての人にとって重要だと考えているからです。 ただそれは「歯周病のリスクコントロール」が目的です。

 よく引き合いに出されるのは 「老人介護施設で、セルフケアに任せたグループと術者によるプラークコントロールを行ったグループでインフルエンザ罹患率を比較したら、術者が介入したグループがインフルエンザ罹患率が減少した!」 というものです。 この調査自体は本当でしょう。

 しかし、そもそも「老人介護保険施設に入っているような方々は、元々すごーく体が弱く、インフルにもかかりやすい」と思われます。 そのような方々であれば、口腔ケア程度の介入でも大きな変化になるでしょう。 また、口腔ケアが可能な施設は、多分他のケアも行き届いて切る可能性が高いです。

 一方、自力でセルフケアが出来るような一般の人は、元々(ある程度は)プラークコントロールが出来ていると思われます。 そこに「口腔ケア」をプラスしても、コロナ感染リスクを下げるほどの大きな変化があるかというのは、ちょっと難しいのではないでしょうか。
 口腔ケアが無駄、というわけではありません。 フロス、歯間ブラシによるプラークコントロールは、歯周病のリスクを減らします。 さっぱりすることで気分も良くなり、快適に過ごすことで健康状態を良好に保てば、結果としてコロナ感染のリスクは(どの位かはわからないにせよ)下がる、と思います。
 しかし、コロナ感染のリスクを最も大きく左右するのは、多くの感染症の専門家が仰られている >家にいる >どうしても外出する時はマスクをして、2m程度の社会的距離を取る >帰宅したら手を洗う。 という、感染症対策の基本だ、と思います。
 多くの方々が(善意から)あれがいい、コレが良い、と様々な方法で情報発信をされています。 それら全てが悪いこととは言えませんが、あくまでも補助的であることを踏まえて慎重な情報発信をすべきではないでしょうか。 特に、医療関係者であっても感染症の専門家では無いような微妙な人は。
 物事には優先順位があります。 感染症の専門家ではない方々が(善意からであっても)、優先順位の低い事をバラバラに情報発信することは、一般の方々に混乱をもたらすのではないかと心配です。
 外出の自粛が強く求められている現状では、歯周病のリスクを減らす、お口の中を良好な状態に保つことは重要です。 それは「痛くなったり、歯がグラグラになってご飯が食べにくくなり、歯科医院に行かざるを得ない(外出そのものによってコロナ感染リスクを上げる)状況にならないようにするため」です
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