抜かれた、削られたと前医への不満を述べる患者さん。(院長 長崎)
抜かれた、削られたと前医への不満を述べる患者さん。(院長 長崎)
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
抜かれた、削られたと前医への不満を述べる患者さん。
私は何か患者さんの歯に問題を見つけたら、状況と私の考える治療or進行抑制の方法を説明した後「貴方はどうしたいですか?」と聞くようにしています。
物理的に不可能な注文は断ります。自分の知識、技術を超えるような希望は、大学病院等に紹介します。自分でなんとかできそうな希望なら、頑張ります。ビミョーな希望に関してはメリット、デメリットを説明した上で最終的にはどうするかを患者さん自身に決めてもらっています。
冷たい言い方になりますが、自分の人生は自分で決断していくしかありません。どんなに良かれと思っても、患者さんが望まない事を説得しようとしても、あまりいい結果になりません。逆に、無理難題な希望は断る…のは応召義務状難しいので、大学等に紹介するようにしています。患者さんが迷って決められないような場合は「現状維持」というのも立派な選択ですよ、とお話ししています。
※コレは、歯科医師によっては怒る人もいるかも…
現状維持となると、現実的にはセルフケアや生活習慣の指導を行い、定期検診になります。それで問題が起きないor患者さんにとって許容範囲内ならそれでよし。問題が起きたら、改めて患者さんと話し合って方針を再度決めてもらいます。
昔は1ミリでも問題がある歯は、必ず治療していました。患者さんに選択してもらうようにしていましたが、それは「保険か自費か?」の選択であって「積極的な治療自体をしない。現状維持」というのは選択肢にありませんでした。困ってない歯の治療を勧められた患者さんは、来なくなる人もいましたが、大抵は「歯医者さんが言うのだから、そうなんだろう」と、治療を受けてくれました。何割かは自費治療を選択して頂き、結構儲かりました。
今は前述のように、患者さんがどうしたいかをまず聞くようにして、可能な範囲で希望を叶えられるようなサポートを心がけています。削ったり詰めたりの治療は減りましたが、セルフケアや生活習慣の教育、指導、定期健診の患者さんは増えました。儲けは減りましたが、実にストレスの少ない生活になりました。儲けが少ない事がストレスではありますが…
そこはセルフケアや生活習慣の指導や、教育、その手段としての定期健診を希望する患者さんが増えていけばなんとかなるだろう、と思っています。