予防歯科とはなんぞや?
南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。
様々な歯科医院のサイトを、パクリ・・・じゃなくて勉強させて頂く目的で覗いているのですが「予防歯科」と項目を出しながら、フッ化物洗口、デンタルフロス、歯間ブラ
シによる「家庭での予防」についてまったく触れていない、あるいはごくサラリとしか触れていないサイトが多いことに気が付きました。
歯科医院におけるお掃除、フッ素塗布が虫歯、歯周病の予防にある程度効果があることは、様々な論文により証明されています。
フッ素に関してはごく一部で反対論はあるものの、効果が最大でリスクが最小となる用量はすでに判明しています。
また、多くの歯科医院で「歯科医院内でのフッ素塗布」は項目としてあるので、フッ素自体の効果は多くの歯科医師が認めているということです。
ただ、それらと同等かそれ以上に虫歯、歯周病予防に効果があると証明されている、またはかなり高い確率で効果があると思われる家庭でのフッ化物洗口、デンタルフロス、
歯間ブラシに関しては、不自然なほどに「予防歯科」を謳っている歯科医院のサイトでさえも触れられていないことが多いのです。
虫歯、歯周病が減ると困る歯科業界の陰謀だ!というと頭がおかしな人と思われてしまうのですが。。。
家庭でのハブラシ、歯科医院での定期的なお掃除(お掃除の呼び名に関してはアレコレ論争があるようなので、あえてわかりやすい「お掃除」と呼びます)だけで虫歯、歯周
病が予防できるとは到底思えないのです。ハブラシだけでなく、フッ化物洗口、デンタルフロス、歯間ブラシを患者さんのリスクに合わせて指導しなければ。
ハブラシだけでは60%程度のプラークしか落とすことは出来ず、フロスと歯間ブラシを併用することでようやく80%ほどのプラークを除去できます。
また、定期的な歯のお掃除をしたとしても、ご飯を食べればプラークはまたつきます。歯科医院で歯のお掃除をすることで、ある程度付きづらくはなるでしょうが、それはデ
ンタルフロス、歯間ブラシの事を教えない理由にはならないはずです。
サイトに載せてないだけで、ハブラシだけでなく家庭でのフッ化物洗口、デンタルフロス、歯間ブラシも指導している!というのであればいいのですが・・・。
ここで、フッ化物洗口、デンタルフロス、歯間ブラシについていくつかの仮説を立ててみます。
1.まったく虫歯、歯周病予防に役に立たないからサイトでも触れない。教えないよ説。
2.虫歯、歯周病予防に役に立つことは知ってるけど、指導する時間がない、めんどいから触れない、教えないよ説。
3.虫歯、歯周病予防に役に立つことは知ってるけど、、ハブラシが完璧にできてない患者さんに教えると、油断してハブラシがおろそかになるから触れない、教えない。ハブ
ラシが完璧になったら教えてやろう説。
4.歯科医師の仕事は治療であって、セルフケアに関しては衛生士さんの仕事。分業だよ説。
5.虫歯、歯周病予防に役に立つけど、ホントに予防されちゃうと歯科医院が潰れちゃう!予防歯科と名乗るけど、セルフケアは極力触れずに「歯医者さんでお掃除して虫歯・
歯周病予防」という方が経営的にもいいよね説。
どうなんでしょうか?